2022年66冊め

母親になって後悔してる

学術論文みたいな本だから難しかったけど、タイトルも帯も惹かれまくりで手に取り、読んでみてよかった。


著者も、著者のインタビューに参加した母親たちも、正直で責任感があり真摯な女性だと思った。生きづらさを感じながらも、オブジェクト(客体)ではなくサブジェクト(主体)として自らの人生を営んでる。母親も女性も、ひとを二分化や二極化できるわけはなく多様な生き方がある。

2022年65冊め

偉大な発見と発明! 女性科学者&エンジニアたち (世界を驚かせた女性の物語)

すっごく面白い絵本だった!!小学生の頃に伝記を読んで以来ずっと憧れているマリー・キュリーはもちろん、キャサリン・ジョンソンのページをめくりながら彼女はドリームって映画の人かな?って考えたり。


23ページ:リーゼ・マイトナーユダヤ人の原子物理学者)は原子力技術が兵器を作るために使われることには大反対でした。アメリカから原子爆弾を作るために一緒に働いて欲しいと頼まれたときも「私は爆弾とは一切関わりません!」と言って断りました。女性であること、ユダヤ人であること、この2つのせいでリーゼは人生のほとんどで不利な立場におかれ、大きな危険に立ち向かうことになりました。それでも彼女は絶対にあきらめませんでした。そしてこう言いました。「人生は簡単じゃないほうがいいのよ。大切なのは、空っぽじゃない人生を送ること」。

2022年64冊め

いいから、あなたの話をしなよ: 女として生きていくことの26の物語 (ajuma books)

チョ・ナムジュさんの話はさすがの「おま俺」だった…!!


gaslighting:状況操作を通じて相手が相手自身を疑うよう仕向け、現実認識能力と判断力を失わせることで相手を精神的に荒廃させ、相手に支配力を及ぼし、最終的には相手を破局に追いやることを意味する心理学用語。


41ページ:相手からの嫌悪と暴力の原因を自分の中に探してはならない。だから私は自分自身を咎めさせる社会を変えるため、これからもものを言い、戦い続けるつもりだ。私の告白が誰かの勇気になるように、さらに多くの戦いに加わっていこうと思う。


48ページ:私たちは皆、誰かの何かではない「私」として生きることを望む。


95ページ:女性は誰でも石ころを持たされている。それを自分の中に大切にしまって体を重くするか、あるいは外に投げ出して世の中を揺るがすか。平和は弱者の沈黙を前提とする。それが平和なら、私は拒否したい。それぞれの内面にひそむ石ころが投げ出されるとき、石の大きさに関係なく水面には波が立つ。


143ページ:子どもとの関係に没頭しすぎたり、依存したり、「私」という自我のない状態で考えなしに他人に従うことが、私自身と相手にどれほどつらい思いをさせるか気がついた。

2022年63冊め

わたしの体に呪いをかけるな

著者のリンディさんはご両親を愛していて、親からの呪いはなかったみたいだけど、私は母からの呪いが一番きつかったなって思った。


140ページ「すでに恥ずかしい思いをしている人たちに、その上恥ずかしい思いをさせることこそ、恥ずべきことなのだ」


誰かの呪いで自分を嫌いになりたくない。

2022年62冊め

まだまだという言葉

短編集なんだけど「まだまだという言葉」って作品はなくて、「爪」という作品の中に「まだまだだよ、という言葉みたいだ。」とあるのみ!!でもこの一冊には「まだまだという言葉」ってタイトルがぴったり。「友達」って作品ではどうしても、最近毎日ニュースでも耳にする教団と信者二世について考えてしまった。


217ページ「アジの味」:「つまり人間っていうものは……目で見たり耳で聞いたり舌で味わったりして感じるだけじゃ、絶対満足できない存在なんだ。俺は今こう感じてるぞって、俺に伝えられないのが耐えられないんだよ。どんな方法でもいいから自分の感じや考えを自分に伝えたいのに、それができないと、感覚とか思考自体もその場で窒息してしまいそうだったんだ」

2022年61冊め

小説8050

数十年ぶりに林真理子の小説を読んだ。ボリュームはあるけど、すらすら読めて面白かった。


子どもたちを進学校に通わせる余裕はあるくらいの裕福さで、母親は専業主婦で、でも幸せとは言い難いって、まるで実家みたいだなと思った。


子どもたちとは信頼しあえる親子でいたい。

2022年60冊め

謝るなら、いつでもおいで

僕とぼく 妹の命が奪われた「あの日」からより先に書かれていた本。著者の川名さんも、川名さんの直属の上司だったお父さんも、当時中学生だったお兄ちゃん(題字もそのお兄ちゃんの字)もすごい。抱えきれないだろう辛い事件だったからこそ、元気で幸せでいてほしい。


46ページ:「そのときに私は『現場保存をしなければ』と思った。人間の頭というのは、よくわからないものです。信じがたい不条理を前にすると、人は正常なスイッチが飛んでしまうのかもしれない」


47ページ:「あのときにどうして怜美を抱き上げてやれなかったのか。それをずっと後悔している」


池袋の事故の遺族の松永さんが会見かインタビューで、娘さんのお顔を見てしまったらかわいい笑顔の記憶が塗り替えられてしまうかもしれないと思って見られないまま荼毘に伏したけど見てあげればよかったと話していたことを思い出した。