2022年60冊め

謝るなら、いつでもおいで

僕とぼく 妹の命が奪われた「あの日」からより先に書かれていた本。著者の川名さんも、川名さんの直属の上司だったお父さんも、当時中学生だったお兄ちゃん(題字もそのお兄ちゃんの字)もすごい。抱えきれないだろう辛い事件だったからこそ、元気で幸せでいてほしい。


46ページ:「そのときに私は『現場保存をしなければ』と思った。人間の頭というのは、よくわからないものです。信じがたい不条理を前にすると、人は正常なスイッチが飛んでしまうのかもしれない」


47ページ:「あのときにどうして怜美を抱き上げてやれなかったのか。それをずっと後悔している」


池袋の事故の遺族の松永さんが会見かインタビューで、娘さんのお顔を見てしまったらかわいい笑顔の記憶が塗り替えられてしまうかもしれないと思って見られないまま荼毘に伏したけど見てあげればよかったと話していたことを思い出した。