2022年14冊め

ブラックボックス

今年の芥川賞受賞作品の主人公は「怒りが爆発すると転職する」ってニュースで聞いて、えっ?私のこと?って夫と笑った「ブラックボックス」。ブラックボックスって言葉は作中に1回しか出てこなかった気がする。


芥川賞は難しめで文学的、直木賞は俗っぽく現代的ってイメージだったけど、読みやすくて現代的な小説だった。作者の砂川文次さんって若い人なのかな?って記述がいくつかあったけど「老人かもしれないと感じた人をよく見てみたら70歳くらいで本当に老人だった」ってところが衝撃的だった。調べてみたら砂川さんは31歳。私は親世代が70代だから70歳くらいの人を老人だとは思わないけど、30代前半の人から見たら70歳は老人!


空気を読めたりその場に応じた受け答えができる力を求められる社会で、適切ではない発言が口をついて出てきたり、怒りが爆発してしまう主人公に共感するところもあった。