2022年30冊め

赤毛のアン

子どもの頃に母に何度も読めと言われて仕方なく読んだ時とは違う魅力を感じた。おととしくらいにNetflixでアンという名の少女を途中まで見たからかもしれないし、柚木麻子さんの小説を読んでいて自分で読み返してみたいなって思ったからかもしれない。村岡花子さんのお孫さんの美枝さんがあとがきで、「女性や子どもたちが夢と希望をもって健やかに生きていってほしい。」という願いが祖母のペンを握り続ける情熱だったと書かれていて、そんな想いを持つ方が昔も今もずっとい続けてくれたことをうれしく思う。


347ページ:曲がり角をまがったさきになにがあるのかは、わからないの。でも、きっといちばんよいものにちがいないと思うの。

2022年29冊め

声をあげます チョン・セランの本

チョン・セランさんの本は取り上げる題材や視点は鋭いのに懐かしくてあたたかみのある文体がいい。いろんな立場にある人のことを考えて言葉を選んでいることが伝わってくる。表題作の声をあげますは、というかどの短編も保健室のアン・ウニョン先生みたいなSF作品。十一分の一、小さな空色の錠剤、声をあげますが好きだった。

2022年28冊め

さらさら流る

どんな時も家族は自分の味方と信じることができる人の強さ、自分の幸せを他人のものさしで計る人にはその強さを持つのは難しいこと、この人こそはと思う人の価値観が自分と違ったことで揺らぐ思いが様々な角度から鮮やかに描かれていてスカッとした。スカッと終われて希望が持てる話は本当にいい。

2022年27冊め

理想の夫 (角川文庫)

遠征前からずっと外出先とかでちょこちょこ読んでいてやっと読み終えた。昔の作品だからかな?観劇後はそれでもだいぶ読みやすくなったけど、少し読みづらかった。


でもチェブリー夫人は宝塚版の紫りらちゃんと同じくずる賢いけど隙のある憎めないキャラクターで、星組の退団者が発表された今、音波みのりさんのチーブリー夫人も観てみたかったなと改めて思う。

2022年26冊め

ミカンの味

チョ・ナムジュさんの小説を読むのは3冊目。いろんな伏線が終盤で繋がってくけれど、読み終わっても「人の気持ちは本人にしかわからないし、本人すらわからないこともある」って思えるところが好き。

2022年25冊め

本屋さんのダイアナ(新潮文庫)

思春期に異性に感じる恐ろしさ、図書館で借りて読んだ赤毛のアン若草物語、周りから幸せそうに見えるからといって幸せってわけじゃない女の子の心のひだなど、柚木麻子さんの小説を読んでいるといろんな感情が掘り起こされるし、読み始めたら一気に時間が経っててびっくりする。